当委員会は、1989年に「両性の平等に関する委員会」として発足し、社会および家庭での個人の尊厳と両性の平等をテーマに各種の活動を行ってまいりました。現在は「全ての性の平等に関する委員会」に名称を変更しています。
当初は、男女という二つの性しか存在しないことを前提に、両性の平等に関する問題を扱ってまいりました。具体的には、セクシュアル・ハラスメントや保育の問題について取り上げ、
その後、司法におけるジェンダー・バイアスの問題やポジティブ・アクションの問題を取り上げてきました。社会の中でこの分野で弁護士が担うべき課題はまだ沢山あると考えています。
特に、女性が被害者となりやすい、DV事件についても当委員会は積極的に取り組んでまいりました。具体的には、対象者を女性に絞った法律相談を電話や面談で実施したり(女性の権利相談、
女性の権利110番)、DV事件についての外部への出張講義等を行ったりしてまいりました。
並行して、セクシュアル・ハラスメントだけでなく、マタニティ・ハラスメント、パワーハラスメント、アカデミック・ハラスメントなどのハラスメント問題一般について再度検証を行い、
2016年度、その集大成として、書籍を出版いたしました(「ハラスメントの事件対応の手引き」日本加除出版株式会社、2023年同書第二版出版)。
ハラスメント問題は、一般に力の差がある関係で生じます(例:上司vs部下、男性vs女性、社会的マジョリティーvs社会的マイノリティー)。近年、当委員会では、男女平等の問題に加えて、
性的少数者(LGBTQ)の権利擁護に関する問題についても積極的に取り上げるようになりました。具体的には、研修会や勉強会を重ね、多様な性が存在することを学び、また、性的少数者が様々な問題に日々直面していること、
及び、その問題に対して法律家が果たすべき役割を検討してまいりました。そうしたところ、 男女二つの性しか存在しないこと、男女平等の問題しか取り扱わないこと、を前提としているかのように受け取られかねないと、
「両性の平等」に関する委員会という名称に違和感を覚える委員も増え、2023年度には、委員会名称を「全ての性の平等に関する委員会」と変更しました。
当委員会では、今後も全ての性の平等のみならず多様な性を尊重する社会の実現のため、様々な活動に取り組んでいきます。
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