ジュニアロースクール・イベントレポート(2014)

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更新日:2014年10月23日
午前の部の寸劇の一幕。弁護士演じる「ブランシュ大統領」と
「パトロール隊」

8月6日、弁護士会館で、法教育の普及・推進に関する委員会(法教育委員会)が主催する『夏季ジュニアロースクール2014』が開催されました。今年で3回目になります。

対 象は中学1年生から3年生、募集人数は50名ですが、例年盛況で、多数の応募から抽選で選ばれた生徒たちが参加してくれました。これに対して、授業にあた るのは22名のプロジェクトチームの弁護士たちです。4月にチームを立ち上げ、まる4ヶ月、知恵を絞り、時間と情熱をかけて準備をしてきました。

授 業は、午前と午後の2部構成です。毎年テーマを変えていますが、今年は、午前の部は「立憲主義(権力のコントロール)」、午後の部は「表現の自由と限界」をメインテーマとしました。一見、堅く難しいテーマですが、生徒たちに分かり易く楽しく学んでもらうため、寸劇をおりまぜて授業は進みます。

生 徒たちは5~ 6人の班に分かれ、設問について議論をしますが、各班にはサポート役の弁護士がつき、ヒントをあげたりしながらこれをフォローします。はじめは緊張した面 持ちの生徒たちも、サポート役の弁護士と対話したり、発言を促されたりするうちに、積極的な発言が出てくるようになりました。

昼は、班ごとに、サポート役の弁護士も一緒になって昼食を取ります。生徒たちに学校の話を聞いたり、生徒たちから弁護士に対する質問を受けたり、和気あいあいとした雰囲気で時間を過ごすこともあってか、午後の授業では、さらに生徒たちの議論も盛り上がりました。

『夏季ジュニアロースクール』は、生徒たちに法について学んでもらうと共に、たくさんの弁護士に触れ、弁護士を身近に感じてもらうことも大切な目的にしています。イベント終了後のアンケートでは、皆と議論ができてとても有意義だったという感想のほか、弁護士の仕事をもっと知りたくなった、弁護士を将来の夢のひ とつにしてもいいと思ったなど、嬉しい感想も聞かれました。

参加してくれた生徒たちの声を励みに、また来年にむけた授業づくりが始まります。どうぞご期待ください。

第1部:「大統領が止まらない!?~権力について考えよう~」

「架空の国『ソレイユ国』では、国民思いの大統領のおかげで国民は平和に過ごしていましたが、ある事件をきっかけに大統領に変化が...国民の暮らしはどうなってしまうのか!?」という、おもしろく、わかりやすい教材を通じて、憲法の背景にある根本的な考え方を、弁護士と生徒で一緒に考えました。

第2部:あなたは真実をどこまで伝えますか?

ひまわり高校の文化祭では、各クラスがそれぞれ工夫を凝らした発表をしようとしていますが、その中には、先生同士の恋愛ネタや、先生が生徒に体罰をしたという内容も...
文化祭実行委員の生徒たちは、提出された各クラスのテーマを見て、文化祭で発表してもよいものかどうか、悩んでしまいます。 文化祭実行委員になったつもりで、それぞれの企画の発表がされてよいものか、追加の取材が必要なのか、発表内容が修正されるべきなのかなどについて考え、表現の自由とは何か、自由がある中でも守られるべきルールがあるのではないかについて、話し合いました。

参加者の声

  • 難しいことについて考えるというよりも、自分たちがその人の立場になって考えやすいことをテーマにした授業であったため、とても楽しんで授業を受けることができた。
  • 専門的な話が多いと思っていたけれど、ソレイユ王国の劇の内容がわかりやすくて面白かった。ソレイユ王国の極端な例を見ることで、今の日本は上手く成り立っているのだと実感しました。三権分立の大切さがわかりました。
  • いろいろな弁護士の方がいらしてとても面白かったです。初対面の人と意見を交換し合うことはないので、とてもいい機会をいただけました。ありがとうございます。
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