制度の説明
どうやったら、「弁護士」になれるのか?~司法試験制度の説明~
司法試験を受験するためのルートは2種類
現在、司法試験を受験するためには、1.法科大学院ルートと、2.予備試験ルートの2種類があります。
法科大学院に入学するためには、4年制大学を卒業し、各地にある法科大学院の個別の入学試験に合格する必要があります(ただし、所定の大学法学部の「法曹コース」に入学した場合には、3年間学んだ後、4年目から法科大学院に進学することも可能です。)。
法科大学院には、3年間の法学未修者コースと2年間の法学既修者コースがありますが、法学部を卒業していなくても、既修者コースの試験に合格すれば、既修者コースに進むことができますし、法学部を卒業していても、社会人になっていて法律の学習にブランクがあるなど、学習に不安があるような場合は、法学未修者コースに進むことも可能です。
法科大学院では、司法試験の科目となっている法律に限らない幅広い法律科目に加え、将来法曹となった際に役立つ、実践的な授業も多数用意されており、単なる試験勉強にとどまらない、有意義な学習ができるところが大きな魅力です。同じ志を持つ仲間たちと3年、または2年もの間、切磋琢磨するというのも、得がたい経験です。
法科大学院を卒業すると、司法試験の受験資格が得られます。受験できるのは卒業から5年以内に5回までで、2023年からは、毎年7月中旬に試験が実施され、11月上旬に合格発表があります。また、2023年から、法科大学院3年次に在学中の方も受験できるようになりますが、在学中受験をした場合はそれが1回目の受験としてカウントされます。
その他、経済的な理由等で、法科大学院に通うことが難しい方のために、合格すれば司法試験受験資格が得られる、予備試験という制度もあります。
司法試験合格から、資格を得るまで
司法試験合格後、3月下旬から約1年かけて行われる司法修習が始まります。(2024年から)
司法修習では、司法修習生が全国の裁判所に配属され、裁判所、検察庁、法律事務所で、裁判官、検察官、弁護士になるための実務的な研修を受けます。司法修習の最後には、二回試験と呼ばれる修了試験を受け、これに合格すると晴れて法曹資格を取得することになります。
なお、司法試験合格後に、司法修習生とならずに、7年間、会社の法務部で勤務した場合などにも、弁護士資格を得ることができます。
注:予備試験に合格した場合には、法科大学院を卒業しなくとも、司法試験の受験資格を得ることができます。